【事例付】マンションには小規模宅地の特例を適用できない?

小規模宅地の特例という言葉の響きからは、あたかもマンションには小規模宅地の特例を適用できないかのような印象を受けてしまいます。

結論から言うと、マンションであっても小規模宅地の特例の適用は可能です。

ですが、すべてのマンションについて小規模宅地の特例を適用できるわけではありません。この点については注意する必要があります。

そこで今回はマンションと小規模宅地の特例について事例も紹介しながら説明します。

小規模宅地等の特例とは

まず小規模宅地の特例の意味について確認します。

小規模宅地等の特例とは、個人が、相続又は遺贈により取得した財産のうち、その相続の開始の直前において被相続人等の事業の用に供されていた宅地等又は被相続人等の居住の用に供されていた宅地等のうち、一定の選択をしたもので限度面積までの部分(以下「小規模宅地等」といいます。)については、相続税の課税価格に算入すべき価額の計算上、一定の割合を減額することができる特例のことです。

まどか

小規模宅地の特例は、相続又は遺贈によって取得した宅地等が減額の対象になります。贈与で取得した土地は特例の対象外です。

小規模宅地の特例の正式名称は、小規模宅地「等」の特例です。したがって、土地だけがこの特例の減額対象になるのではなく、例えば、借地権や雑種地も小規模宅地の特例の対象になります。

小規模宅地の特例の要件さえ満たせば、借地権の付いているマンションなどであっても特例を活用することができます(通常はマンションに借地権が付いています)。

小規模宅地の特例を適用できないマンションとは

マンションであっても、小規模宅地の特例を適用できるマンションと適用できないマンションがあります。

ここでは、例えば、どのようなマンションが小規模宅地の特例を適用できないかについて紹介します。

区分所有のマンション
・被相続人甲は1101号室と101号室を所有
・被相続人甲は1101号室に居住し相続人乙(子)は101号室に居住
・被相続人の配偶者は既に亡くなっている
・被相続人甲と相続人乙は生計別
・3年まで相続人乙は自己所有マンションに居住
・相続人乙が1101号室と101号室を相続

マンションと小規模宅地の特例

結論:1101号室と101号室に小規模宅地の特例は適用できない

区分所有建物である旨の登記がされている建物について、小規模宅地の特例を適用するためには、相続人が被相続人が居住していた部分(この例では1101号室)に居住していることが必要です。

また乙は3年前まで自己所有マンションに居住していましたし、生計も別ですので、1101号室と101号室について小規模宅地の特例を活用することはできないことになります。

区分所有のマンション
・被相続人甲は1201号室と201号室を所有
・被相続人甲は1201号室に居住し相続人乙(長男)は201号室に居住
・被相続人の配偶者は既に亡くなっている
・被相続人甲と相続人乙は生計別
・15年間相続人乙は201号室に居住
・相続人乙が201号室を相続し、長女が1201号室を相続(長女は5年間寮住まい)

結論:1201号室には小規模宅地の特例は適用できるが、201号室に小規模宅地の特例は適用できない

まず乙は被相続人甲と生計を一にしているわけではないので、201号室には小規模宅地の特例は適用できません。

1201号室部分については、被相続人甲と相続人乙は同居していたわけではないので、1201号室の対象となる敷地について小規模宅地の特例を適用することができます。

マンションと小規模宅地の特例のまとめ

マンションにも小規模宅地の特例を適用できますが、常に適用できるわけでもありません。

マンションに小規模宅地の特例を適用できるか否かは、この特例の要件を満たしているかを判断する必要があります。この小規模宅地の特例の要件の判断が鍵になります。

まどか

マンションに小規模宅地の特例を適用できるかどうかについては税理士に相談することをお勧めします。

小規模宅地の特例の要件については、リンク先でご確認ください。

【頻出】小規模宅地等の特例とは?相続税を免れる合法的な方法