【礼儀作法】大人のためのお葬式マナー|お香典の相場・焼香・お清めの塩

頻繁にお葬式に行く機会があれば、お葬式のマナーはすぐに身につくはずですが、社会人の年代によってはそれほどお葬式に行く機会が多い方はいないのではないでしょうか。

お葬式に行く機会が少ないと、なかなかお葬式のマナーも身につかないはず。お香典の金額や、焼香の仕方、お清めの塩など、大人として恥ずかしくない作法をしたいもの。

そこで、ここでは大人のためにお葬式マナーについての基本を一通り説明します。

お葬式で恥ずかしくない思いをしないためにも、葬式マナーを確認します。

   目次

お通夜と葬儀、告別式の違い

まずはお通夜と葬儀、告別式の違いについて確認します。

お通夜は、遺族や近親者、故人と深いかかわりのある人達が集まり、夜通し故人と最後の別れを惜しむためのものです。

ですので、通常は故人と近い関係にある人達が参加するもの。ですが、お通夜に会社・仕事関係者が参加することも最近は増えてきていることも事実です。

事情によっては、会社関係者などがお通夜に参加することもやむを得ない。

一般的にお通夜は、遺族・近親者などが故人との最後の別れを惜しむためのものということは理解しておきましょう。

また、もし通夜ぶるまいに誘われたときには、受けるのが礼儀です。

通夜ぶるまいとは、お通夜の後に振舞われる食事や飲み物を提供される場のことです。

葬儀は、故人を葬る儀式で、お通夜と同じく基本的には遺族、近親者、故人と深いかかわりのあった人だけで行われる儀式です。

告別式は、葬儀の後に行われ、会社関係者、友人など故人とゆかりのある人が別れを告げる儀式です。

この葬儀と告別式は続けて行われることが多くありますが、このような場合には一般参列者も葬儀から参加します。

葬儀と告別式を分けて行われるときには、葬儀の間、一般参列者は控室で待機することもあります。

ご厚志お断り
葬儀などの前に喪家側から「ご厚志はご辞退申し上げます。」と連絡されることがあります。これは供物、供花、お香典などすべてを遠慮するという意味ですので、この場合にはお香典などを贈らないようにします。「供物、供花の儀はご辞退申し上げます。」というときには、お香典のみを持参し、供物などは贈らないようにします。

お香典の相場

葬儀・告別式などに参加する際は、まずお香典としていくらを包むべきか疑問に思う方が多いのではないでしょうか。

このお香典の相場についてはアンケート結果がありますので、そちらのアンケート結果を確認してみます。

故人 最多回答額
祖父母 10,000円
100,000円
兄弟姉妹 30,000円
おじ・おば 10,000円
上記以外の親族 10,000円
職場関係 5,000円
勤務先社員の家族 5,000円
取引先 5,000円
友人・その家族 5,000円
隣人・近所 5,000円

これは一般社団法人冠婚葬祭互助協会によるアンケート結果です(金額は最多回答額 回答数7,425件 )。

親族関係は10,000円以上を包むことが多いようですが、その他は概ね5,000円です。

親族以外であれば、お香典として5,000円を包めば失礼にあたらないでしょう。

またご祝儀の場合には新札を包むということはよく知られているところですが、お香典の場合の新札は一般的にNGと言われています。理由は、新札を包むと不幸のために用意していたのではないかと思われてしまうためです。

お香典のときに、もし新札を包む場合には折り曲げたりなどして折線をつけておくと良いでしょう。

水引きの結び方
水引きとは、不祝儀袋にある紐的なものによる結びのこと。不祝儀袋の水引きは、不幸が二度とこないようにという意味でほどけない結び方をします。

抹香焼香の作法

葬儀・告別式に参加したとして、日本では必ずと言っていいほど行われているのがお焼香です。

お焼香の作法はそれほど難しいと感じない方も多いのではないかと思いますが、念のため確認。

まずは遺影に対して深く一礼してから、右手の親指、人差し指、中指の指先で軽くつまんで目の高さまでささげてから静かに香炉に落とします。

回数は宗派にもよりますが、2~3回、参列者が多いときには1回でも構わないとされています。

遺影に向かって合掌し、遺族に向かって一礼してから自分の席に戻ります。

座礼と立礼
告別式等がどこで催されるかにもよりますが、座ったままで焼香する座礼と立ったままでする立礼があります。座礼の場合にはまず遺族に一礼してから、遺影を仰いで深く一礼をし、祭壇に向かって軽く合掌してから焼香します。立礼の場合にも遺族に黙礼してから遺影を仰いで一礼し、焼香、合掌することになります。いずれの場合にも最後に遺族に一礼をして自分の席に戻ります。

お清めの塩

葬儀・告別式から帰ってきたときには、「お清めの塩」を軽く振りかけることが多いですし、この点についてはご存知の方も多いはず。

お清めの塩は、死のけがれを清めるために行われると言われていますが、死をけがれとは考えない宗教(浄土真宗やキリスト教)もありますので、この場合にはお清めの塩を振りかけることはしなくても大丈夫です。

お清めの塩を振りかけるタイミングは、自宅の場合は門を入る前で、マンションの場合には玄関に入る前です。

そしてお清めの塩は、他の家族から振りかけてもらうときには胸、背中、足元に振りかけてもらいます。自分でお清めの塩をするときには、肩越しに足元にかけることになります。

告別式から自宅に戻らず会社に行くときには、葬儀場から出るときに足元に塩をまいて踏む方法でも構いません。

お清めの塩
お清めの塩は、告別式の会場入り口付近に、(コーヒーや紅茶に入れる砂糖が入っているようなやや四角形の袋に入って)置いていることがあります。喪家側からお清めの塩を頂かなかったときには、入り口付近にある塩を頂いて清めても構いません。