【お受験】お受験後の費用と教育資金一括贈与の活用の仕方

野村総研が時々、富裕層向けにアンケート調査(NRI親リッチアンケート調査)を実施していますが、そのアンケート結果によると富裕層の方が、富裕層でない場合よりも教育に対する投資が積極的という結果が出ています。

富裕層が教育に対する投資に積極的になる理由はいろいろあると考えられますが、その理由の1つには、教育への投資はリスクが低くて、将来的に子供が回収するということが挙げられるはずです。

実際に教育に対する投資は元本割れのリスクが低いうえに、ほぼ確実に回収できると感じます。

子供の教育への投資はもちろんですが、自分へ投資したことがある方も教育投資はほぼ確実に回収できると実感されている方は多いはず。

ここでは子供の教育に関連して、お受験後(小学校)の費用と教育資金一括贈与の活用の仕方についてご紹介します。

これからお受験を控えているお孫さんや、お子さんがいらっしゃる方は、是非、ご一読ください。

お受験の難易度

お受験の難易度については詳しくない方も多いかもしれませんので、まずはお受験の難易度について国立の小学校を例にお伝えします。

表は2019年の受験状況(2020年4月入学)ですが、特に文京区にある筑波大学附属小学校(約30倍)、お茶の水女子大学附属小学校(約51倍)、東京学芸大附属竹早小学校(約61倍)は凄い倍率です。

因みに旧司法試験の合格率は約3%弱で、倍率にすると約33倍ですので、国立小学校のお受験も意外に侮れない熾烈な競争ということがわかります。

志願者数 募集定員 倍率
筑波大附属 3,900名 男女計128名 約30倍
お茶の水女子 2,574名 男女各25名 約51倍
学芸大竹早 2,470名 男女各20名 約61倍
学芸大大泉 1,133名 男女各45名 約12倍
学芸大世田谷 1,101名 男女計105名 約10倍
学芸大小金井 997名 男女計105名 約9倍

因みに慶應幼稚舎の倍率は約11倍です(2018年度 志願者数1,676名 2020年4月入学の募集人数は男子96名、女子48名)。

お受験後の費用等については後ほどお伝えしますが、国立小学校の人気が高いのは、私立よりも割安な費用(大よそ4分の1)で、同レベルまたはそれ以上の教育が受けることができるからと言われています。

いずれにしても私立か国立かを問わず、勉強に限らずスポーツもそうだと思いますが、どこで(誰に)教えて頂くかというのは本当に大切で、その後の子どもの成長性にかなり影響するはずです。

お受験に見事合格した後の費用

運よく小学校のお受験に合格したとして、その後に親御さんが気になるのは費用のことではないでしょうか。

そこでお受験後の費用についてもリサーチしてみました。するとお受験後の費用については、次の表のような結果でした(私立については各学校のwebサイトまたは入学募集要項を参照しています)。

入学金 学費等 合計
慶應幼稚舎 340,000 1,206,480 1,546,480
慶應横浜 340,000 1,520,000 1,860,000
学習院 300,000 1,226,000 1,526,000
立教 250,000 1,268,000 1,518,000
早稲田 350,000 1,046,000 1,396,000
青学 300,000 1,016,000 1,316,000
雙葉 270,000 801,600 1,071,600
聖心 300,000 858,000 1,158,000
筑波大付属 ※ 約390,000
お茶の水女子 ※ 約160,000
学芸大竹早 ※ 約115,000

(単位:円)

共学に比べると、女子校の方が少し割安になってます。

慶應横浜初等部は他の学校に比べると学費は抜けてることもわかります。

※ 筑波やお茶の水、竹早に入学する際に納付する金額は私立と違って入学金や授業料ではありません。国立小学校の合計金額の内訳は主に給食費や、同窓会、後援会への入会金や年会費にかかる費用です。

国立は私立に比べると圧倒的に割安です。そのためか人気の国立は倍率も厳しい。

特に学芸大竹早は、金額が群を抜けて割安ですが、倍率も60倍程度で他校からは抜けています。

教育資金一括贈与とは

教育資金の一括贈与制度とは、30歳未満の子や孫などが、教育資金に充てるために、金融機関等との一定の契約に基づき、その直系尊属(祖父母など)から贈与を受けた場合には、1,500万円までは非課税になるという制度のことです。

教育資金一括贈与を一言で言うと、教育費に満てるための贈与は1,500万円まで非課税になる制度のことです。

一般的に110万円を超える贈与は贈与税が発生しますが、教育資金一括贈与を活用すると1,500万円までは非課税になります。

教育資金一括贈与を活用するための要件

教育資金の一括贈与を活用すれば1,500万円まで非課税になるわけですが、この一括贈与を利用するためには次のような要件を満たす必要があります。

  • 受贈者(贈与を受けるもの)が30歳未満であること(子や孫はもちろん、ひ孫も含まれます)
  • 贈与者は受贈者の直系尊属であること
  • 教育資金に充てるための贈与であること
  • 金融機関等と一定の契約をすること ※

※ 金融機関に口座を開設し、その口座から教育資金の支払等をすることになります。

直系尊属というのは、親はもちろん、祖父母などのことです。叔父などは直系尊属にはあたりませんので教育資金一括贈与を活用することはできません。

教育資金一括贈与の活用が有効なとき

教育資金一括贈与は1,500万円まで非課税になるというメリットがあります。このメリットを活かすために、教育費の贈与についてはこの制度を活用したいと考える方は多いはず。

ですが、この教育資金一括贈与が必ずしもベストチョイスとは限りません。他の方法もあるからです。

例えば、国税庁のwebサイトには次にような説明があります。

贈与税は、原則として贈与を受けたすべての財産に対してかかりますが、その財産の性質や贈与の目的などからみて、次に掲げる財産については贈与税がかからないことになっています。
~中略~
夫婦や親子、兄弟姉妹などの扶養義務者から生活費や教育費に充てるために取得した財産で、通常必要と認められるもの
ここでいう生活費は、その人にとって通常の日常生活に必要な費用をいい、また、教育費とは、学費や教材費、文具費などをいいます。
 なお、贈与税がかからない財産は、生活費や教育費として必要な都度直接これらに充てるためのものに限られます。

そもそも教育費の贈与には贈与税がかからないことになっているので、あえて教育資金一括贈与を活用する必要性は高くないということです。

まどか

扶養義務についてですが、親はもちろん、祖父母も子や孫などを扶養する義務があります。

また、(入学金を除いた学費は大よそ100万円程度ですので)年間110万円以下は贈与税が発生しない暦年贈与を活用することでも、教育資金を贈与することができます。この場合は毎年100万円程度を贈与する必要があります。

連年贈与とは?相続対策が失敗し贈与税が発生してしまう落とし穴

結局のところ教育資金一括贈与を活用すべき有効な場合とは、例えば、死期が迫っていてその都度教育費を贈与できないときや、暦年贈与もできないなどの限定された場面になります。

特に、死期が迫っている状況で(相続財産を減らして)相続対策をしたいときには、一時に多額の金額を贈与しても非課税となる教育資金一括贈与は有効な選択肢になります。

【まとめ】お受験後の費用と贈与

入学金を除いた年間の学費の目安としては約100万円程度です(私立の場合)。小学校から私立に入学するとすれば、6年+3年+3年+4年=16年ですので、合計約1,600万円になります。その他、入学金や塾の費用、その時々で発生する学校のイベント(例えば、合宿やホームスティなど)を含めると1,600万円は優に超えます。

大学を卒業するまで、毎年、教育費を贈与するのであれば贈与税は発生しませんが、死期が迫っていたり、先行き不安の場合には一度に多額の財産を移動させることができるうえに、1,500万円まで非課税になる教育資金一括贈与を選択すると有効です。

まどか

教育資金一括贈与は相続対策としても有効なときがあります。
お受験の難しさ
お受験の難しいところは、点数だけでは合否が決まらないという点にあります。
受験というと、各科目の点数で合否が判断されるというのが常識だと思いますが、小学校のお受験は点数だけで合否は決まらない。子供たちを審査する先生たちの「目にとまるかどうか」や、「(子供が)輝いているかどうか」「この子の担任になりたいか」などが非常に重要なポイントになります(ペーパーテストの点数だけでは決まらない)。
またお受験の残酷なところは、年長の子供に対して「受験した学校すべて不合格」となる経験をさせてしまう可能性もあるということだと思います。高校生くらいの年齢であれば「すべて不合格」という経験も、経験としては良いかもしれませんが、生まれて5年程しか経っていない子に「受験した学校すべて不合格」という経験させてしまうのはあまりにも厳しい。
名門の小学校に合格できたとすれば、親としてはとても嬉しいかもしれませんが、すべて不合格となったときには生まれて間もない子供にとても残酷な経験をさせてしまうことになります。

【非課税】教育資金の一括贈与のメリットとデメリット及び手続の仕方