金銭で支払えない相続税を物納するときの4つの要件

日本の歴史に名を残した田中角栄氏は、多額の相続税を金銭では納付できずに、目白御殿の一部を物納したと言われています。

目白台に行くと、故田中角栄氏の邸宅が堂々と構えていますが、あの目白御殿は、見る人に、元総理の威厳を感じさせます。

さて、相続税は金銭によって納付することが大原則ですが、一定の要件を満たす場合には金銭以外の物によっても相続税を納付することができます。

そこで今回は相続税を物納するときの●の注意点についてお伝えします。

相続税を物納するための4つの要件

既にお伝えした通り、相続税は金銭で納付するのが原則ですが、相続財産のほとんどが不動産であったときなど、相続税を金銭で納付できないことがあります。

相続税を金銭で納付できないときには、次のような要件をすべて満たした場合に限り不動産等をもって物納をすることができます。

  • 1. 延納によっても金銭で納付することが困難であって、かつ、その納付を困難とする金額を限度とすること。

そもそも相続税を納付できる金銭があるならば、物納をすることはできません。

  • 2. 物納する財産は、相続により取得した相続財産であって、次に掲げる財産及び順位で、日本国内にあること

第1順位 国債、地方債、不動産、船舶

第2順位 社債、株式、証券投資信託又は貸付信託の受益証券

第3順位 動産

この順位は、財産が複数ある場合に、物納する財産の優先順位です。不動産や国債等の第1順位の財産があるならば、その財産を物納に充てるべきで、不動産等があるにもかかわらず動産を優先的に物納することは基本的にはできない。

  • 3. 物納に充てることができる財産は、管理処分不適格財産に該当しないこと。

管理処分不適格財産とは、担保権が設定されている財産や、係争中の不動産などのことです。

  • 4. 物納しようとする相続税の納期限又は納付すべき日(物納申請期限)までに、物納申請書に物納手続関係書類を添付して税務署長に提出すること。

物納を希望する場合には、税務署側による審査がありますので、申請書等を税務署に提出する必要があります。

相続税を物納する財産価格の評価

相続税を金銭ではなく、不動産等で物納するときに、その不動産が「いくら」なのか、その評価額に関心のある方は多いはず。

物納する財産価格については、次のようにされています。

物納財産を国が収納するときの価額は、原則として相続税の課税価格計算の基礎となったその財産の価額(相続税評価額)になります。

例えば、建物であれば固定資産評価額で評価されますし、土地であれば路線価等で評価されることになります。

小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例の適用を受けた相続財産を物納する場合の収納価額は、特例適用後の価額(80%or50%減額された金額)となります。

※小規模宅地等の特例については、下の記事で確認できます。

相続税対策の人気No1!小規模宅地等の特例の要件(特定居住用宅地)

相続税の物納が許可されるまでの審査期間

税務署に物納が申請された場合でも、必ずしもその物納が認められるわけではなく、物納が認められるか否かの審査があります。

物納申請書が提出された場合、税務署長は、その物納申請に係る要件の調査結果に基づいて、物納申請期限から3か月以内に許可又は却下を行うことになっています。

また申請財産の状況によっては、許可又は却下までの期間を最長で9か月まで延長することがあります。