家族信託とは?家族信託のメリット・デメリットとその費用

信託という言葉を聞いたことがある方はとても多いと思いますが、信託の意味を正確に理解している方はそれほど多くはないのではないかと思います。

ましてや「家族信託」の意味や仕組みを理解している方はそう多くはないはず。

ここでは家族信託の意味や仕組みに加えてメリット・デメリット、専門家へ依頼する場合の費用等についてお伝えします。

家族信託について興味のある方や、相続対策について検討中の方は、是非、ご一読ください。

家族信託とは

家族信託とは、自分自身(委託者)の財産の管理・運用・処分を自分自身が信頼する家族など(受託者)に任せ、信託契約で取り決めた目的に従って家族が財産の管理・運用・処分し、その財産の管理や処分等から得られた利益を自分が指名した人(受益者)に与える仕組みのことです。

管理を任せる財産には、例えば、不動産や株式などがあります。

受益者には自分自身がなることもできます。

家族信託のメリット

例えば、ある程度の年齢になってくると「いつ」「なにが」あるかわからないのが現実です。周りの人のことを思い出せばすぐにわかります。

例えば「昨日まで元気だったのに、突然倒れた」とか、あるいは「急死した」などは決して珍しくありませんし、このようなことはほとんど誰もが経験したことがあるはず。

突然倒れたり、急死した時に、その人の財産はどうなるのでしょうか。突然倒れたり、急死した方にも「財産をどうするか」については自分自身のの希望があることでしょう。

前もって遺言書を作成していれば、それなりに故人の遺志は実現すると思いますが、遺言書も完璧な方法とは言えません。

遺言書の作成にはルールがあり、ルール通りに作成されていなければ(遺言書は無効になり)自分の遺志を実現することはできませんし、作成した遺言書が発見されない可能性もあります。

まどか

相続人全員の合意があれば、遺言書の内容とは違った財産の取り決めをすことも可能ですので、故人の遺志が尊重されないこともあります。

また遺言の効力が発生するのは、相続開始時で自分が亡くなった後ですので、遺言書の内容通りになるのか否かを自分自身で見守ることはできません。

成年後見制度もありますが、基本的に法定後見では、誰を後見人にするかは家庭裁判所の判断になるので、家族信託とは違い、自分が信頼している人が後見人になるとは限らない不都合があります。

成年後見制度とは?親族が認知症になった場合の対応策

この点、家族信託であれば、脳梗塞などで急に倒れて判断能力を失ったり、認知症になって判断能力を失ったとしても、信託の内容に基づいて自分自身の信頼している家族が財産を活用したり、処分できることになり、とても安心だと言えます。

また家族信託では、自分自身が健常なときには、自分の財産がどうなるか見守ることもできます。

受託者が自分の信頼している家族であれば、言うまでもなく自分の意志を尊重して財産を管理したり、処分してくれることでしょう。

家族信託には、(認知症や脳梗塞で急に倒れたりしたときなどに備えた)自分の財産についての保険的な機能があるということもできます。

家族信託のデメリット

具体的な家族信託の設計をどうするか、言い換えると、どのような信託の内容するかについては、身内に専門家でもいない限り、親族だけで決定するのは難しいと言えます。

ですので、実際に家族信託をするには専門家へ相談したり、家族信託について専門家(例えば、弁護士、税理士、司法書士など)のアドバイスは必須になりますし、その際に費用が発生することになるでしょう。

この点は家族信託のデメリットとも言えます。

ただ相続対策だったり、成年後見も然り、遺言でもそうですが、費用は必ず発生することになりますし、信託銀行等に依頼する場合の高い報酬に比べれば、専門家の費用の方が割安になることが通常です。

家族信託の費用

ここまでの説明で家族信託のメリットとデメリットについては理解して頂けたと思います。

家族信託のメリットを理解して頂けたとして、次に気になるのは費用のはず。

そこで家族信託の費用についてもお伝えします。

まず家族信託をする際に必要になる主な費用は次のようなものです。

家族信託で発生する主な費用
・公正証書作成にかかる費用
・家族信託のコンサルティング料(専門家費用)
・不動産登記の関連費用

公正証書作成費用

家族信託の信託契約については、公正証書を作成することは必須ではないのですが、事後的なトラブルを回避するうえでも公正証書で作成することをお勧めします。

また公正証書は、公証役場で作成することになるのですが、公証人は元裁判官などの方ですので、そのような方の契約書チェックを受けることにもメリットがあります。

公正証書の作成費用は、目的物の価額によって5,000円~10万円程度が目安になります。

家族信託のコンサルティング料

家族信託は、委託者、受託者、受益者のいずれも家族になるとは思いますが、具体的な家族信託の内容を家族だけで決定するのは難しいと思います。

そこで家族信託の具体的な内容、言い換えると、どのような信託内容にするかについては、弁護士や司法書士などの専門家に相談することが通常です。

その際の家族信託コンサルティング料としては、信託評価額の~1%が目安になります。

不動産登記の関連費用

家族信託の内容に、不動産が含まれていれば、その不動産について信託の登記をする必要もあります。

その登記の際には、登録免許税として固定資産評価額の0.3~0.4%の実費が発生します。さらに司法書士への登記手数料として10万円程度も発生することになります。

家族信託のまとめ

前半でもお伝えしましたが、ある一定の年齢を超えると「いつ」「なに」があるかは全くわかりません。

脳梗塞などで急に倒れたり、認知症などで判断能力を失うことは十分にありますし、そうした実例は私たちの周りに溢れています。

「いつ」「なに」があるかわからない状況に備えて、家族信託は1つの有効な選択肢になりますし、この家族信託は注目されている選択肢の1つです。