相続が開始すると亡くなられた方の現金預金も相続財産として相続対象になり、相続手続きが完了するまでは、原則としてその口座から入出金などの取引が出来なくなります。また相続開始後は銀行に相続があったことを申し出たうえで必要書類を準備し、銀行に提出する必要もあります。
ここでは相続開始後に必要となる銀行口座に関連した手続きについて、例えば、預金の払い戻しなど、銀行別(メガバンク別)に必要な書類や手続きについて説明します。
目次
相続開始後に必要な銀行預金の払戻手続き
預金口座の名義人が亡くなった場合、相続人(遺言執行者いればその遺言執行者)が預金の払戻し手続を行う必要がありますが、この手続きの流れは基本的にどこの銀行も同じ流れで、おおよそ次のようなイメージになります。
いずれの銀行においても、このような流れで被相続人名義の銀行口座から払戻を受けることになります。
相続開始後に必要な三菱UFJ銀行への手続きと必要書類
それではさっそく相続開始後に必要な三菱UFJ銀行へ提出する必要書類について確認してみます。
遺言書がなく、遺産分割協議書がある場合の必要書類
遺言書がなく、遺産分割協議書がある場合 |
・相続届(銀行から入手する) |
・遺産分割協議書 |
・戸籍謄本等 |
・法定相続人全員の印鑑証明書(発行日より6ヵ月以内のもの) |
・通帳、キャッシュカード、または貸金庫のカギ |
作成すべき遺産分割協議書については以下のリンク先で詳しく解説しています。
戸籍謄本等については、亡き口座名義人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本等と法定相続人の方を確認できるすべての戸籍謄本等が必要です。
遺言書がある場合に提出する必要書類
遺言書がある場合 |
・相続届(銀行から入手する) |
・遺言書 |
・戸籍謄本等 |
・受遺者(遺贈を受ける人)の印鑑証明書(発行日より6ヵ月以内のもの) |
・通帳、キャッシュカード、または貸金庫のカギ |
共同相続の場合の必要書類
ここでいう共同相続とは、遺言書も遺産分割協議書もなく法定相続人で法定相続分に従って相続する場合のことです。
共同相続の場合 |
・相続届(銀行から入手する) |
・戸籍謄本等 |
・法定相続人全員の印鑑証明書(発行日より6ヵ月以内のもの) |
・通帳、キャッシュカード、または貸金庫のカギ |
戸籍謄本等については、亡き口座名義人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本等と法定相続人の方を確認できるすべての戸籍謄本等が必要ですが、既にお伝えしたように、法定相続情報一覧図を提出すると戸籍謄本等の提出は原則として省略できます。
相続開始後に必要な三井住友銀行への手続きと必要書類
次に相続開始後に三井住友銀行へ提出する必要書類について確認してみます。
遺言書がなく遺産分割協議書がある場合
まずは相続開始後、遺言書がなく遺産分割協議書がある場合に三井住友銀行へ提出する必要書類を確認します。
遺言書がなく、遺産分割協議書がある場合 |
・相続に関する依頼書(銀行から入手する) |
・遺産分割協議書 |
・戸籍謄本等 |
・相続人全員の印鑑証明書(発行日より6ヵ月以内のもの) |
・銀行手続きをする人の実印 |
・通帳、キャッシュカード、または貸金庫のカギ |
戸籍謄本等については、亡き口座名義人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本等と法定相続人の方を確認できるすべての戸籍謄本等が必要ですが、法定相続情報一覧図を提出すると省略できます。この点も既に説明したとおりです。
遺言書がある場合
遺言書がある場合 |
・相続に関する依頼書(銀行から入手する) |
・遺言書 |
・戸籍謄本等 |
・受遺者(預金等の払戻をうける方)の印鑑証明書(発行日より6ヵ月以内のもの) |
・受遺者(預金等の払戻をうける方)の実印 |
・通帳、キャッシュカード、または貸金庫のカギ |
共同相続の場合
最後に、遺言書も遺産分割協議書もない、共同相続の場合に三井住友銀行へ提出する書類を確認します。
遺言書がある場合 |
・相続に関する依頼書(銀行から入手する) |
・戸籍謄本等 |
・相続人全員の印鑑証明書(発行日より6ヵ月以内のもの) |
・実際に銀行手続きをする人の実印 |
・通帳、キャッシュカード、または貸金庫のカギ |
戸籍謄本等については、亡き口座名義人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本等と法定相続人の方を確認できるすべての戸籍謄本等が必要ですが、法定相続情報一覧図を提出すると省略できることは他のケースの場合と同様です。
相続開始後に必要なみずほ銀行への手続きと必要書類
相続開始後にメガバンクへ提出する必要書類について確認してきましたが、メガバンクの最後はみずほ銀行に提出する必要書類の確認です。
遺言書がなく、遺産分割協議書がある場合
遺言書がなく、遺産分割協議書がある場合 |
・相続関係届出書(銀行から入手する) |
・遺産分割協議書 |
・戸籍謄本等 |
・相続人全員の印鑑証明書(発行日より6ヵ月以内のもの) |
・相続人(預金等の払戻をうける方)の実印・取引印 |
・通帳、キャッシュカード、または貸金庫のカギ |
遺言書がある場合
被相続人が遺言書を作成していた場合には、次の書類が必要になります。
遺言書がある場合 |
・相続関係届出書(銀行から入手する) |
・遺言書 |
・戸籍謄本等 |
・受遺者(預金等の払戻をうける方)の印鑑証明書(発行日より6ヵ月以内のもの) |
・受遺者(預金等の払戻をうける方)の実印・取引印 |
・通帳、キャッシュカード、または貸金庫のカギ |
他の銀行の場合と同様に、自筆証書遺言を提出する場合には家庭裁判所の検認済証明書も必要です。
共同相続の場合
被相続人が遺言書を作成していなかった場合や、相続人全員で遺産分割協議をしなかった場合には共同相続となりますが、そうした場合にはみずほ銀行に次の書類を提出して払戻を受けることになります。
共同相続の場合 |
・相続関係届出書(銀行から入手する) |
・戸籍謄本等 |
・相続人全員の印鑑証明書(発行日より6ヵ月以内のもの) |
・預金等の払戻をうける方の実印・取引印 |
・通帳、キャッシュカード、または貸金庫のカギ |
まとめ:相続開始後の銀行手続き
以上、ここまで銀行別に相続開始後に必要な手続きと必要書類について説明してきました。
ここまで読んで頂ければほとんどの方が気が付くと思いますが、相続開始後に銀行へ提出する書類は(銀行は違えど)ほぼ同じです(遺言書の有無、遺産分割協議の有無で多少違う程度です)。
したがって、銀行で被相続人名義の口座から払戻手続きをする場合には、戸籍謄本等、印鑑証明書、通帳等は事前に準備しておくと手続きがスムーズに進みます。